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小川洋子『余白の愛』。
突発性難聴を患った主人公は、座談会で知り合った速記者Yの指に惹かれた。主人公はYにあることをお願いした。
全般に溢れる繊細で、幻想的な世界。
子供の時、風邪をひいて寝込んで、熱が下がりだした午後。
身体はまだだるさが残るが、母が
「リンゴジュースでも作る? 氷枕作り変えようか」
と、声をかけてくれた。
布団からのそのそ起き出し、リンゴジュースを飲む。
また、布団へ。
母が居間や台所で動いている音が聞こえる。
・・・うとうと眠りつく。
体調が悪いときの記憶を思い出す。
身体が休養を欲するとき、同時にだれかの優しさも欲しいのかもしれない。
そして回復に向かう。
優しい味がする飴のような小説。
ゆっくりとその飴を舐めていくと、じわじわと心に浸透し、気持ちがほぐれてくる。
小川洋子のこの幻想的な世界はとても好き。





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